コウチュとティーチュの「適性検査対策 お役立ちコラム」 Vol.3

「コロナ禍入試」 最前線世代の回想

日本では令和2年の年明けから猛威をふるい始め、今なお収拾を見せない新型コロナウイルス感染症。
学校は休校になり、「勉強に遅れは出ないのか」「感染したら受検できないのか」など、心配の声もありました。
合格者に、コロナ禍入試で体験したことをふりかえっていただきました。

一番多かった声はやはり、感染予防対策で気を遣ったというものです。

「体調管理には一番気を遣った。手洗い・うがい・手の消毒・マスクに気を付けて、アルコールは常備。
親が常に声がけをした。塾との行き来は車で送迎。12月からは外食も控えた」
「コロナに感染すると受検させてもらえない場合があると聞き、とても不安だった。
濃厚接触者になったら…無症状だったら…当日熱が出たらどうしたら…等々、小学校に問い合わせたりした」

など、「消毒」「三密回避」「入試対応情報の収集」で気をもんだ保護者の様子がうかがえます。

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合格者からは、コロナによって勉強のリズムを狂わされたという切実な声も。

「6年生のはじめに休校があり、せっかくいよいよ盛り上がってくるはずの時期に、目標がぼやけてしまった。
周囲の様子もわからず、本人も緊張感やモチベーションを失っていた。」
「コロナで学校見学がままならず、うまく気持ちを盛り上げられないまま本番に突入した」

という事例から、コロナ禍ではなにげない切磋琢磨のチャンスが制限されてしまうことがうかがえます。
このため、子どもたちが受験勉強に取り組む気持ちのリズムは、例年とは異なるものになっていきます。
例年の受験生の勉強ペースや、スイッチが入る時期などの情報に対して、あまり神経質になりすぎないことが大事です。
 

ただし、本人に志望校を意識させることで、気持ちを高めてあげることができるのはまちがいありません。
保護者の方は、学校見学情報にアンテナを張ったり、もしも学校見学が無理だったとしても、
休みの日に志望校まで連れて行って、付近を散策がてら雰囲気を感じてみる、など、ぜひ試してみてください。

一方で、コロナ禍を前向きにとらえたご家庭もありました。

「はじめは苦労したが、少しずつ自分でスケジュールを管理し、コツコツ続けることができるようになった」
「学校行事の簡素化で子どもが疲れなくなり、保護者も長期帰省の慣習を見直すなどして、淡々と1年を送れた」

など、逆境に順応できて軌道に乗れたというご家庭もあります。
保護者と過ごす時間が長かったために、生活リズムを管理しやすい面もあったようです。

今年度の入試もまだまだ、新型コロナウイルス感染症による制約や変則的な運用が予想され、予断を許さない状況です。
昨年度合格者の声を参考に、コロナで泣かずに1年間駆け抜けられるよう、できる手はすべて打っていきましょう。